レタスはサラダを作る際にとても使いやすいということもあり、皆さんが慣れ親しんだ野菜の1つかと思います。
使いやすさやおいしさにばかり気が向く一方で、栄養や効果に着目することはあまりないのでは?
今回はそのレタスの栄養や効果について、ご紹介します。
レタスの効果・効能6つを検証
1.低カロリーでダイエット効果?
「ダイエットの効果はレタスには期待できない」です。
100g中のエネルギー量は12kcalと低カロリーです。
しかし、レタス100gあたりの「食物繊維の総量は1.1g」「不溶性食物繊維が1.0g」ですので、他の野菜を見渡しても、レタスの食物繊維量が特別多い、という訳ではなさそうです。
食物繊維は腸内環境を整えて、腹持ちも良くなりますのでダイエット効果が認められますが「食物繊維を重視した」ダイエット効果を、さほど、レタスには期待できないでしょう。
もちろん、低カロリー食品であることには、間違いありません。
SPONSOR LINK
2.睡眠に良い効果?
安眠・催眠作用が確認されている
少し聞きなれない言葉ですが、レタスには「ラクッコピコリン(ラクチュコピクリンとも)」が含まれ、安眠・催眠作用が確認されています。
「ラクッコ」は、ラクトアイスのように「乳」という意味の英語から転じたもので、レタス他、キク科植物特有の乳液に多量に含まれています。
ラクッコピコリンを多く含むキク科の植物は、タンポポやヨモギ、ベニバナなど。
ベニバナからは植物油が獲れますが、なかなか葉そのものを食べる訳にはいきません。またタンポポは非常に苦いですね。
そもそも、この苦味は害虫の食害から身を守ろうとし、仮に傷ついても乳液が固まって生身が傷まないように保護をするための乳液です。
だから苦い。
でも、レタスやサニーレタスなら、その苦味は抑制されつつも、ラクッコピコリンを簡単に摂り込むことが可能です。
タマネギの臭い成分の元は「硫化アリル」ですので、物質としては異なりますが、効果としては同様です。
寝つきが悪くて苦心なさっている方は、レタスとタマネギのサラダを試してみてはいかがでしょうか?
苦味を嫌うのは虫も一緒
ちなみに、苦味を嫌って害虫が寄りにくいのも、キク科です。
虫がこないので栽培の過程でも通常、防虫薬を使用しません。
結局、生で食べる際でも、農薬による汚染が少ないのも、レタスの特徴です。
3.免疫力アップの効果
レタスは、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。
もちろん、ビタミンC、β-カロテン・クロロフィル(葉緑素)も。
これらは抗酸化力を高める効果があり、免疫力の活性化や維持に期待が持てます。
また近年、注目され、レタスに含まれている栄養成分に「TNF-α」があります。
帝京大学薬学部教授 薬学博士;山崎正利教授の書籍も多く出版されているようですが、TNF-αには腫瘍(つまりがん細胞)を破壊してくれる作用が報告されています。
これから、さらに研究がすすめられると想像しますが、TNF-αが人間の免疫力の増進や、炎症の鎮静に大きな影響を与えているのは間違いないようです。
4.妊婦さんにいい?
レタスには、ビタミン群だけでなくミネラルもバランスよく含まれています。
中でも、葉酸や鉄分が豊富と言えます。
葉酸は無脳症(胎児の大脳が小さく、なかなか発達しない症状)や、脊椎が十分に形成されない二分脊椎症(にぶんせきついしょう)などに効果があると、厚生労働省が推奨していますので、積極的な摂取を心がけたいですね。
レタスの他にも、枝豆やパセリ、アスパラガスなどにも、葉酸は多く含まれます。
1日400μgが妊娠時の目標摂取量とされています。
レタス100gには葉酸は73μg(サニーレタスは120μg)含まれますが、レタスだけで目標量を摂取しようとせず(かなりの量を食べることになります…)、バランスよく色々な食品から摂取するか、必要に応じてサプリメントなどを活用して下さい。
もちろん、産婦人科のお医者様とよくご相談なさってくださいね。
参照:妊婦の食事|妊娠初期に食べた方がいい食べ物や、ダメなものは?
5.美容効果あり?
美肌の実現には欠かせないコラーゲン。
レタスのビタミンCでコラーゲンを生成し、また維持しましょう。
コラーゲンは食べるだけでは効果が薄く、より効率的に作用するためにはビタミンCが不可欠です。
そして、ビタミンE。
血液の循環を良好にして新陳代謝を高めましょう。
ビタミンEは細胞の増殖に直接作用します。
新しい細胞で満ち溢れた、プルプルの肌をゲットしてください。
6.夏バテに効く?
レタスのカリウムは見逃せない量です。
カリウムを多く含むレタスが余計な熱を排出しますし、利尿作用もありますので、水分を取り過ぎた場合も有効ですね。
さらに、レタスに豊富なのが酵素。
酵素には「タンパク質を分解する性質」があります。
夏バテしたからと言って、簡素なものだけを食べていては、一向に改善しません。
酵素を大量に含むレタスを活用しましょう。
ただし、酵素は熱に弱いので、サラダや付け合せなどの生食がおススメです。
一年中、流通しているレタスですが旬は5~8月くらいです。
実は夏に旬を迎える食べ物です。
夏バテとは体内に余計な熱がたまりすぎて、発汗量が増えた時に起こります。
発汗量が多いということは、汗と一緒に排出されるビタミンやミネラルの量も増えるということです。
参照元:ダイエットにも効果的!カット野菜で酵素を効率良く取る方法 | カット野菜大事典
レタスを加熱すると栄養はどうなる?
ビタミンA,B1,C,E,葉酸,酵素成分 など比較的熱に弱い栄養素を、レタスは含んでいるので加熱はあまり向きません。
どうしても火を通す場合は、軽く・サッと、にとどめておきましょう。
レタスはチャーハンなどによく合いますが、炒め始めからレタスを鍋に投入すると、栄養素の量はかなり減ってしまいます。
仕上がり直前ぐらいに、サッと合わせて、余熱でやや温めるくらいが、歯触りもシャキシャキしていいでしょう。
また、これらの栄養素は水にも溶けやすいので注意と工夫が必要です。
千切ってから洗うのではなく、出来れば、洗ったレタスを千切るようにしてださい。
キャベツやサニーレタスとの比較
キャベツとの比較
β-カロテンは体内でビタミンAに変換されますが、これはレタスが優位。
レタス240μgに対し、キャベツには50μgしか含まれていません。
一方でビタミンC。
これはレタス5mgに対し、キャベツは41mgとキャベツに多く、ミネラルのカリウム・マグネシウムもキャベツが優位です。
サニーレタスとの比較
サニーレタスとも比べてみましょう。
左の値がサニーレタス、右が一般的なレタスです。
カルシウム・・・66-19mg
マグネシウム・・・15-8mg
β-カロテン・・・2000-240μg
ビタミンC…17-5mg
ビタミンK・・・160-29μg
葉酸・・・120-73μg
大きな差があるものを抜粋しました。
レタスは結球(玉状に育つこと)しますが、サニーレタスは非結球です。
また、一般的なレタスは玉状に育ち、最終的には開いて芯が高く伸びてから花が咲きます。
ここまで成長すると栄養価は更に高まりそうですが、これだと食べ時をかなり過ぎている、ということになります。
となると、大半の部分は日光を浴びていない状態で食卓に並ぶことになりますので、サニーレタスの方が栄養価は高まります。
参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)について:文部科学省
レタスの栄養成分
多くの栄養素が、バランスよく含まれるのが、レタス。
その中で、とても顕著なものを二つ抜き取ります。
まず、カリウム。
一日の摂取目安が833mgですが、レタス100gに200mg含まれます。
そして、最もスゴイのはビタミンKです。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)について:文部科学省
一日の目安は17μgですが、100gのレタスに29μgも含まれています。
取り過ぎで困ることはありませんので、どんどん摂取しましょう。
SPONSOR LINK
まとめ
こうして見てみると、とにかくバランスが良いですね。
カリウムとビタミンKは群を抜いて多いですが、それ以外の栄養素は「まんべんなく」、といった感じです。
つまり、多くの種類の栄養素をバランスよく摂りたい時にはレタスをメインに据えると良いかと思います。
また、水に溶けやすく、熱にも弱い栄養素が多いので、出来るだけ生で食べましょう。
お肉を包んで、シャキシャキとサッパリと。
酵素の力で、消化も助けるレタスを、是非ともご活用ください。
SPONSOR LINK