枝豆は「野菜だし、体にいいし、いくら食べても問題ないでしょ。」と思ってませんか?
畑の肉とよばれるほど、良質な植物性タンパク質を大量に含む枝豆ですが、カロリーや糖質その他の面から見ると、食べ過ぎにも注意です。
枝豆の栄養や効果効能、その他枝豆を食べる際の注意点についても詳しく見ていきましょう。
枝豆の栄養素と効果効能
納豆の栄養とざっと書き出してみました。
- タンパク質(肌への美容効果)
- ビタミンB1(糖質の代謝)
- 鉄分(酸欠・貧血の予防)
- カリウム(ナトリウムの排出)
- イソフラボン(更年期障害・骨粗しょう症の予防、美容効果)
- メチオニン(利尿作用、むくみの予防・改善)
簡単に解説してきますね。
1.タンパク質
枝豆に含まれる良質なタンパク質には、肌のハリを保つ、肌荒れや傷からの回復を早めるという美容効果があります。
タンパク質は筋肉や臓器を構成する重要な栄養素で、人の体の約20%はタンパク質で、出来ています。
枝豆(ゆで)100gに、11.5gものタンパク質が含まれていますが、畑のお肉と呼ばれる理由がここにあります。
2.ビタミンB1
枝豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質の代謝を行うときに使われるビタミンです。
「夏の暑さでバテ気味だから、スタミナをつけよう!」とごはんをモリモリ食べたところで、肝心のビタミンB1が不足していては、エネルギーに変換されません。
変換されないエネルギーは脂肪として体に蓄積されます。
逆の見方をすれば、ダイエットで余計なエネルギーをドンドン燃やしたいなら、ビタミンB1が不可欠ということになります。
3.鉄分
意外かもしれませんが、枝豆には鉄分もたくさん含まれています。
鉄は赤血球を構成する成分ですが、赤血球は血液の成分の一つで、肺で取りこんだ酸素を全身に運んでいます。
鉄分の摂取量が不足すると、体が酸欠状態におちいったり、貧血を起こしたりします。
4.カリウム
カリウムは、体に溜まり過ぎたナトリウムを排出する大切な栄養素です。
ナトリウムは汗や尿などで、体の外に排出されますが、この時にナトリウムと同じ量のカリウムが必要になります。
味の濃いもの、塩気の強いものを好んで召し上がる方は、意識的にカリウムを摂取しましょう。
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5.イソフラボン
枝豆がもつポリフェノールの一つにイソフラボンがあります。
イソフラボンは、女性ホルモンによく似た働きがある成分で、女性ホルモンの減少によって発生する更年期障害の症状を改善する、骨粗しょう症を予防する、などの効果が期待できます。
他にも、髪の毛にツヤを出す、肌に潤いを与える、シミ・ソバカスを改善する、便秘を予防・解消してくれる、バストアップするなどの効果や、コラーゲンやヒアルロン酸を作る作用も報告されています。
イソフラボンは女性だけでなく、男性にも有益な成分で、前立腺がんの予防にも効果が見込まれます。
6.メチオニン
枝豆は、必須アミノ酸であるメチオニンを含んでいます。
メチオニンは利尿作用をうながして、むくみを予防・改善してくれる栄養素です。
また肝臓の健康に必要な成分で、アレルギーの原因であるヒスタミンを抑制する作用もあります。
必須アミノ酸は、人間の体の中では生成されないものなので、食事から摂取しなければなりません。
枝豆の糖質とカロリーはどのくらい?
ダイエット中の方が気にするカロリーですが、枝豆(ゆで)のカロリーは100gあたり134kcalで、糖質は2.2gとなります。
ちなみに、白ごはんお茶碗1杯(160g)で269kcalのカロリーで、100gに換算すると168kcalです。
枝豆と白ご飯のカロリーに大きな差はありません。
枝豆は野菜だから低カロリーだという過信は禁物ですし、食べ過ぎは良くありません。
枝豆を食べ過ぎると危険?
摂取カロリー以外にも、食べ過ぎに気を付けておきたい点がありますので見てみましょう。
食べ過ぎの量は?
枝豆の摂取量は200gを1日の上限にしておきましょう。
枝豆は10さやで約25gなので、80さやほどまでは食べてもOKです。
枝豆のカロリー過多もいけませんし、基本的には塩茹でか、茹でた枝豆に塩を振るので、塩分も気になります。
また、イソフラボンは内閣府の食品安全委員会で70-75mg/日という値が示されています。
枝豆100g中に約30mgのイソフラボンが含まれるといわれています。
枝豆やイソフラボンが、いくら女性の味方で天然由来のものだからといっても、やたらめったら食べる行為は慎んで、さまざまな食材をバランスよくいただきましょう。
ホルモン剤や抗ガン剤を服用している場合は、お医者様との相談も欠かさないでください。
イソフラボンに関して、ネット上には様々な意見が飛び交っていますし、科学的な安全性の検証を待つしかありません。
参照元:内閣府_食品安全委員会_大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
腹痛や下痢
食べた量や体質によっては、腹痛や下痢を起こす場合があります。
原因は食物繊維です。
食物繊維は腸内をキレイにしてくれる有効な成分ですが、枝豆が比較的多く含むのは不溶性食物繊維です。
溶けない、溶けづらい食物繊維ですので、食べ過ぎると消化不良を起こして、腹痛になったり、お腹がゆるくなってしまいます。
太る?
極端にカロリーが高い食材ではありませんが、やはり過食は厳禁です。
枝豆を食べる際、塩気をきかせてお酒のつまみにというスタイルが多いと思います。
塩気の効いた枝豆は食が進み、アルコールの力も相まって、さらにカロリーオーバーなどというパターンに。
子どもは注意?
小さなお子様(乳幼児)を抱えている方は、枝豆の大豆アレルギー反応に注意してあげましょう。
お子様の枝豆の食べ過ぎは、じんましんや嘔吐、下痢、喘息、呼吸困難などのアレルギー症状があらわれることもあります。
ひどい場合は、アレルギー反応が始まった後、とても短い時間のうちに全身にアレルギー症状が出るアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
アナフィラキシーショックは赤ちゃんの生命に関わることなので、大人がしっかり注意してあげるか、あらかじめパッチテストなどで検査してもらうと良いですね。
枝豆は生と冷凍では栄養価が違う?
無機質(ミネラル成分)とビタミン類の変化
枝豆に含まれるカリウム、カルシウム、マグネシウムなど無機質(ミネラル成分)は、冷凍することでやや増加し、ビタミン類はやや低下する傾向があるようです。
おそらく、冷凍-解凍することで水分(重量)が減り、相対的にミネラルが増えたものと考えます。
巻末に栄養成分表を掲載しますので、比較してみてください。
枝豆の栄養成分表
表で見ると、生と冷凍と茹でた状態の栄養成分の違いが分かりやすいですね。
ところで話は変わりますが…
「枝豆は大豆とはどう違うのか?」「豆類か?野菜類なのか?」
枝豆の分類について見てみましょう。
大豆との違いは?
枝豆は、「若い大豆」です。
完全な大豆に成長する前の段階で収穫して、食べるのが枝豆です。
ただし、近年では品種改良が進み、大豆として収穫する種・枝豆として収穫する種が存在します。
枝豆として収穫する種をずっと続けても立派な大豆にはなりません。
豆類?緑黄色野菜?
枝豆は分類上、緑黄色野菜です。
豆なのか緑黄色野菜なのか、難しいところですが、豆と野菜の両方の栄養的特徴を持った緑黄色野菜となります。
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まとめ
良質なタンパク質とビタミンBを豊富に含む枝豆。
食べ過ぎや食の片寄りに注意しながら暑い夏を乗り切りましょう。
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