生姜には香辛料・薬味や臭い消し、毒消しとして用途があります。
また、調理法としては煮物、スープ、天ぷら生姜湯など。握り寿司にはガリが欠かせませんね。
今回は、日本を含むアジア、またはヨーロッパで重用されてきた、生姜の栄養・効果効能に焦点を当てます。
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生姜の効果効能
代表的な効用
- 抗酸化力・免疫力の増進
- 解毒作用
- 抗炎症作用
- 発汗促進
- 胃を健康に保つ
まさに医食同源の代表格、それが「生姜」なのです。
生姜の効果・効能「ショウガオール」が凄い!
生姜がもつ有機化合物の一つが「ショウガオール」です。
加熱後の生姜に多く含まれて、体の芯を温めてくれます。
糖分や脂質の燃焼を促し、余計なコレステロールを低減する効果が期待できます。
辛味を指数化したスコヴィル値は160,000_SHU。後述するジンゲロールは60,000_SHUなので、やはり辛いのがショウガオール。
この辛さが内燃作用を高める訳です。咳止めや発がん抑制にも作用します。
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生姜の効果・効能「ジンゲロールとは?」
ショウガオールが体を温めるのに対して、もう一つの看過できない有機物が「ジンゲロール」です。
殺菌・解熱作用や、頭痛・吐き気の抑制に役立つのがジンゲロール。
そして最も高い効果を示すのが血流の促進改善機能です。
体内の深い部分にある熱を、血液に乗せて末端まで運ぶ効果・分散する効果があり、結果的には火照った体を適度に冷ましてくれます。
冷奴に、薬味として微塵切りや針生姜を添えるのはとても理にかなっていると言えます。
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風邪をひいたら生姜
発散・発汗効果のある生姜で風邪を予防・撃退しましょう。
葛湯(くずゆ)や飴湯(あめゆ)で適度に加温された生姜には大量のショウガオールが生成されます。
体内の温度をグッと高めて、悪いウイルスを焼きはらってください。
また生姜とハチミツでシロップを作り、炭酸水で割ったのがジンジャーエール。ご自宅でも簡単に自作できるジンジャーエールで、生姜の殺菌作用を上手に摂取してください。
ハチミツも喉に良いですね。
胃に良い?摂取量によっては副作用も
特にジンゲロールは胃壁をほどよく刺激し、胃液の分泌や消化作用を促します。
油っこいものや風味にパンチが欲しい時、生姜の縛り汁をサッとかけるのには、実は風味づけ以外の実用効果があるのですね。
嘔吐を抑制する効果もあるのでツワリでお困りの妊婦さんにもおススメです。
ただし、大量摂取は厳に慎んでください。胃壁を痛め、腹痛や下痢、胸焼け、嘔吐といった副作用が起こることも考えられるので、くれぐれも適量を。
脂肪燃焼?美容(肌への効果)やダイエット効果も
生姜には血行改善や発汗作用があり、美肌効果が期待できる上に、余分な脂肪をガンガン燃やしたい方にもうってつけです。
運動前に生姜を摂取しておくことで、エネルギー代謝と内燃量を高めましょう。
安静時でも発汗を促す力のある生姜ですのでダイエット効果はバツグンです。
抗炎症作用で関節痛にも効果的
ショウガオール・ジンゲロールともに抗炎症作用がありますので、関節炎やリウマチを鎮静・抑制する効果が期待できます。
飲み物にすると良い?スープや紅茶など栄養ドリンクとして
「食欲増進効果があるのは知っているけど、そもそも食欲がないので、やっぱり食べない」
そんな方は栄養ドリンクとして飲んでしまいましょう。
生でも乾燥でも、どちらでも食欲増進作用が確認されています。
風味づけ程度の量でも効果はありますので、生姜を「薬」として活用してみませんか?
冷え性や夏バテにも
寒さに震える冷え性と、暑さにへたってしまう夏バテ。
全く逆の元凶ですが、これらにも対応する潜在能力が、生姜にはあります。
やはり医食同源の代表格ですね。ただし使い方と処置の仕方が大切です。
次項で詳しく記します。
生姜は「生」と「加熱」で効果が違う?
冷ましたいときは「生」温めたい時は「加熱」
体の余計な熱を発散させたい(冷ましたい)時にはジンゲロールを多く摂りましょう。
逆に、体の芯からドンドンと加温したい時にはショウガオールをより多く摂りましょう。
この違いは、加熱処理の有無に起因します。
- 生・・・ジンゲロールが多量 ⇒ 余計な熱を発散・分散させる。冷ます。
- 加熱・・・ショウガオールが多量 ⇒ 体を芯から温める
そもそも生の生姜に含まれている有機化合物がジンゲロールです。
これを加熱し分子レベルでH2Oを除いた(脱水された)のがショウガオールとなります。
つまり、加熱の有無で効果が逆転してしまいますので、それぞれの目的に合った処理をした方がピンポイントに効果を得ることができます。
ただし100度程度でショウガロールも消滅してしまいます。
調理温度の目安上限は80度を上限にして栄養価のロスに留意してください。
生姜チューブは効果ある?
生姜チューブで代用をお考えになる方もいるかと思いますが、残念ながらチューブだと効果はほとんどありません。
殺菌作用のある生姜ですが、チューブでは全般的な菌増殖の抑制効果にも大きな期待はできません(※2)。
また生姜の成分には、大腸菌以外(ブドウ球菌、サルモネラ菌、ビブリオ属菌など)への殺菌・滅菌効果は確認されていません。
まして安価に購入できるチューブには数割程度しか生姜は含まれておらず、添加物やかさ増の材料が大半です。
お手元の冷蔵庫にチューブタイプのものがあれば、表示されていると思います。
簡易的で、すぐに使いたい時などチューブタイプは重宝しますが、やはり効果効能をしっかり得たい時は、生姜そのものを入手して正しく摂りましょう。
引用・出典:※2:食中毒菌に対する香味野菜の発育阻止作用;宮川豊美、川村一男
ショウガの栄養素
全て100g[根茎(生)]あたりの含有量【引用・出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)について:文部科学省】
生姜は殆どが水分と炭水化物で構成されています。
無機質としてはカリウムが多く含まれています。
通常食するのは、土の中で育った根茎の部分。「根」の一種なのでカリウムを多く持ちます。
カリウムはナトリウムとバランシングして細胞内液の浸透圧を調整し、また神経の情報伝達機能を担いますので、神経過敏からくるイライラにお困りの方はカリウムで改善しましょう。
カリウムは心臓や筋肉の安定した運動にも欠かせないミネラルです。
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まとめ
西洋・東洋の枠をこえて活用されるにとどまらず、医薬の世界でも不可欠な生姜をご紹介しました。
ご購入の際は全体的にハリがあり先端が変色していないものを選んでください。
強力なインパクトと多面的な効果効能とは裏腹に、デリケートな植生であるが故に、生産量が安定せず価格変動も激しいのが難点です。
上手に取り入れて、凍える冬を、そして梅雨のジメジメや猛暑を、脅威の生姜パワーで乗り越えましょう。
きっと皆様の健康に絶大な力を与えてくれますよ。
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