栄養価も高く、何かと活用法のある小松菜。
どれくらいの時間、どのように茹でればいいのでしょうか。
今回は、小松菜の茹で方・茹で時間から活用法、茹でた後の小松菜の栄養素・見た目・味の変化をご紹介します。
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下処理は必要?
下処理は必要ですが、ここでの細かい作業はありません。
茹でる工程で栄養素が流出するのを防ぐためには、切っていない状態で茹でる方が良いので、土や汚れがあればザッと洗い流す程度でOKです。
ただし、茎元(根に近い部分の茎が集合している箇所)には土がたまりやすいので、ここだけはよく洗うか、気になる方は茎元を切り落として茎をバラしてすすいでおきましょう。
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小松菜の茹で方・茹で時間
お湯・お塩の量
お湯の量
できれば大きな鍋で2リットル程度を沸かしましょう。
面倒くさいようですが、 1把(いちわ:小松菜の数え方の単位は「わ」)ずつ茹でると失敗も手間も省けます。
後で詳しく記しますが、茹でる時間は 1分未満。
鍋のサイズやお湯の量によっては数把同時に茹でることもできますが、かえってバタバタしてしまい、クタクタの茹ですぎた小松菜に仕上がってしまいます。
美味しく・確実に茹でるには、要領を掴むまで1把ずつ茹でてみてください。
お塩の量
お湯が沸騰したら、小さじ1程度のお塩を加えましょう。
分量は「だいたい」で結構ですが、忘れずに投入してください。
小松菜など緑黄色野菜の鮮やかな緑が引き立ちます。
緑の正体(=葉緑素)は、元々とても不安定で、変質しやすい・溶け出しやすい成分ですが、塩に含まれるナトリウムイオンが作用することによって安定します。
目に美しいだけでなく、葉緑素の流出を防ぐ効果があります。
※葉緑素( = クロロフィル)は、腸内で食物繊維が取りきれなかった、汚れや老廃物、体に不要な物質を排出する助けをします。
冷水も準備
あらかじめ、冷水を準備するのをお忘れなく。
お湯から引き揚げた小松菜は、粗熱を持ったままですので、放置しておくとさらに熱が通ってしまいます。
特に葉の部分は熱が通りすぎないよう、冷水で熱を奪い取ってやらないと食感も栄養素も台無し。
お湯を沸かしている間に、冷水を準備しておいてください。
茹で方・茹で時間
一般的な茹で方、茹で時間
まず茎元を20~25秒、お湯に浸します。
その間、葉の部分は手かお箸で持っておき、お湯に触れない状態をキープしてください。 (熱湯の近くですので、ヤケドにご注意ください)
その後葉先も投入して20秒。
お湯から引き揚げると、すぐに冷水に浸します。
冷水で冷ました小松菜は、冷水から引き揚げてよく絞ります。 十分に、水分を取り除いてください。
小松菜の大小によりますが、火の通りやすい葉物野菜ですので、だいたいこれくらいが一般的です。
胃腸が弱い方や幼児の場合
胃腸が弱い方や幼児の場合は全量投入後の時間を40~50秒程度にして調整してみてください。 ただし、茹ですぎると水っぽくなり、小松菜の特徴的な茎の歯ごたえは落ちてしまいます。
感覚的な調整になりますが、この時間を目安に、ご自分の「丁度良いところ」をお探しになってください。
茹で方は用途によって異なる?
基本的な茹で方は同じです。 ただし、用途によって切り方や取り分け方を工夫すると、より便利です。
少し詳しく見てみましょう。
おひたしなど、そのまま召し上がる場合
茹であがった小松菜はお好みの大きさにカットしてください。
好みの問題ですが、一口大( 3~4cm前後)が、食べやすいと思います。
離乳食の場合
離乳食初期の場合は、茎の太い部分は避けておくのが無難です。
中期から後期になると、5mm~1cmの大きさにカットしてみてはいかがでしょうか。
また、小さく切り分けた小松菜は製氷皿に容れて冷凍した後、冷凍用保存袋に移し替えます。
冷凍室で保存しておき、必要な分量だけ取り出して使うと便利ですよ。
冷凍保存する場合
冷凍保存は3~5cmに切り分けて、ラップで小分けしておくと、使う時に便利です。
そしてこの場合、葉と茎をバランスよく合わせておくと良いでしょう。 葉ばかり、茎ばかりでは、ちょっと寂しいですね。
冷凍した小松菜から、いちいち葉や茎を探して使うのは面倒です。
葉と茎をバランスよく合わせてから固めると無駄な時間は省けます。
2,3日の内に召し上がる場合
タッパーなどに収めて冷蔵庫に入れておきましょう。
この時、切っても切らなくてもどちらでも結構ですが、大きい小松菜の場合は、葉と茎に切り分けておくと良いでしょう。
茹でるメリット・デメリット
メリット
彩りを保つ
葉物野菜はそのままだと変色しやすいので色止めの効果があります。
葉緑素の力を保つ
色が止まっている、ということは、葉緑素の効果(腸内環境の健康 ) を維持する、とも言えます。
シュウ酸を抜いておく
小松菜にはシュウ酸という成分が含まれています。
シュウ酸は結石の原因成分ですが、茹でることでシュウ酸が除去できます。
全量ではないものの、シュウ酸やエグ味の成分を少しでも減らしておきましょう。
βカロテンは摂取しやすい
茹でることでシュウ酸は減りますが、βカロテンは体が摂取しやすい状態になります。
殺菌、消毒、農薬除去
熱湯をくぐりますので、小松菜表面の殺菌、消毒効果が見込めます。
生産者によっては農薬を大量に使用します。
とても害虫が付きやすい作物ですので、見た目が立派で虫の食べた跡や穴が一つもないような小松菜は、必ず茹でて薬剤成分ともバイバイしておきましょう。
※生産者が薬剤の使用基準を順守していれば、残留していない筈ですが…、念のため。
デメリット
栄養成分の流出はゼロではありません。
小松菜には上質なビタミンcが含まれていますが、これは流出しやすい(水に溶けやすい)成分です。
少しでもビタミンcを逃したくない!という方は、小松菜を茹でるお湯に、ほんのわずかのお酢を加えることで流出は最小限に抑えることができます。
ただし、お酢を入れすぎると、小松菜にお酢の味が入りますよ。
カリウムやカルシウムも、代表的な小松菜に含まれる栄養素ですが、これらも流出しやすい成分です。
長く茹でるとお湯に流れ出してしまいます。
電子レンジの活用で簡単に
「お湯を沸かすのが面倒だ」 「忙しくて少しでも簡単に済ませたい」 という方は電子レンジを活用してはいかがでしょうか。
冷水は必要ですが、お湯を準備する必要はありません。
小松菜を耐熱容器に収めて、ラップをします。
600wで1.5分~2分程度の簡単な加熱です。
グツグツと沸騰するお湯に浸かっていないので、栄養素の流出も最小限に抑えることができます。
ただし、鮮やかなグリーンを求めたい時は、茹でた場合よりもやや見劣りしますので、お湯をご用意していただいて、通常のやり方で茹でましょう。
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まとめ
ほうれん草のように「アク」や「エグミ」が多い葉物野菜は、もっと時間をかけて茹でる必要がありますが、クセの少ない小松菜は、サッと加熱が可能なので魅力的です。
葉の緑、茎の食感、そして短い茹で時間だからこそ流出が抑えられる栄養素。
美味しい小松菜をたくさん召し上がって、豊かな食事をお楽しみください。
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