トマトに含まれるリコピンって体に良さそうだけれど、一体どんなもの?と疑問に思ってるあなた。
何となく体にいいイメージのトマトですが、実際にどんな栄養・効果効能があるのか、見ていきましょう。
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トマトの効果効能
リコピンで生活習慣病の防止
トマトに多く含まれるリコピンは、強い抗酸化力を持っており、生活習慣病の防止にうってつけです。
活性酸素が体を傷つける
通常の酸素よりも強力な酸化力(体を錆びさせる力)を持った活性酸素は、体内でタンパク質や脂質やDNAなどを、酸化させてしまいます。
体内で酸化した脂質などの物質は、脳や心臓、血管などにダメージを与え続けて、前ぶれもなく突然、心筋梗塞や脳卒中など、体が命の危険に直面する事態に陥ってしまいます。
体内の酸化を抑える働きが、リコピンにはあります。
βカロテンにも抗酸化力
トマトに多く含まれるβカロテンという物質も抗酸化力が強い性質があります。βカロテンは、体内に摂取されると、ビタミンAに転換されます。
気になる美白・美肌効果
トマトには、美白・美肌効果が確認されています。
トマトジュース1缶を12週間毎日飲んだ方において、角質層状態の改善が見られた。また、飲用開始後8週間以降で目の下のシワが減少した。
引用文書は、角質層への効果をまとめた研究ですが、他にも、シミ・シワ・日焼けなどに、良い結果が得られています。
もちろん、個人差はあると思いますが、たった8週間(約2か月)で、目の下のシワや角質層を改善する食材って、そうはないでしょう。
妊婦さんに必須の葉酸
トマトには、女性、特に妊婦さんが必要とする葉酸が含まれています。
一般的なトマトで22μg。ミニトマトで35μg(いずれも果実100gあたりの含有量です)。
近年、厚生労働省が摂取を推奨し、母子手帳にも記載されているのが葉酸です。
葉酸の効用は徐々に認知され始めていますが、とても大切な作用が、ずばり、細胞分裂の促進と造血作用(特に赤血球)です。
もともと卵子だった一つの細胞が、種々の器官や臓器に分裂を繰り返して胎児、幼児へと成長しますが、この細胞分裂に欠かせない栄養素が葉酸です。
葉酸が不足すると、神経管閉塞障害(しんけいかんへいそくしょうがい)を発症し、脳や脊椎の発育に支障をきたして、死産に至るという研究報告もあります。
また葉酸は、ビタミンB12と共に赤血球の生産を行います。
妊婦さんに限らず、また、男女にかかわらず、大人・子どもに関係なく、適量の葉酸を摂り続けましょう。
推奨量は非妊娠時240μg、妊娠時440μg、授乳時340μgとあります。
参照元:厚生労働省|日本人の食事摂取基準について|食事摂取基準_
参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂):文部科学省
血圧にはどう作用する?
トマトのカリウムには血圧を下げてくれる効果もあります。
カリウムには、余分な塩分を排出してくれる作用があり、結果、血圧を下げる・血圧が上がるのを防ぐなどの効果に期待できます。
またカリウムには、筋肉を正常に保つ・むくみを改善するなどの効果もあります。
ただし、いくらカリウムが含まれているからと、トマトスライスにドバドバとお塩を振りかけたり、トマトジュースに大量のお塩で味付けするのは、元も子もありませんので、ご注意を。
ダイエット効果は?
トマトは、ダイエット効果も期待できます。
トマトは食物繊維が多く含まれる(一般的なトマトで1000mg、ミニトマトで1400mg。いずれも果実100gあたりの含有量)ので、満腹感を得られやすいのも事実ですが、最近では別の角度からも、トマトのダイエット効果が注目されています。
トマトに含まれる不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)の一種で、13-oxo-ODA(13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)には脂質の代謝異常を改善する働きがあることが証明されています。
正式には、13-oxo-9,11-octadecadienoic acid 。
13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸(略して13-oxo-ODA)と読みます。
直接、脂肪燃焼に影響するわけではないですが、脂質の代謝を正常に戻そうとする働きが、確認されています。
参照元:トマトから脂肪肝、血中中性脂肪改善に有効な健康成分を発見【京都大学】
メタボでお悩みの方には、トマトの13-oxo-ODA。もってこいの成分です。
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トマトを加熱するとどうなるの?
リコピンは加熱で壊れないのか
リコピンは脂溶性の物質で、加熱による変化や破壊も心配することはありません。
またトマトを加熱した方が、適度に組織がほぐされて、リコピンが2倍以上吸収されやすくなります。
脂溶性、つまり油脂に溶けだしやすい性質がありますので、オリーブオイルでトマトを炒めるイタリア料理やパスタ料理などは簡単な調理なようで、リコピンを吸収するのに、とても理にかなっているのですね。
リコピンは、皮に多く含まれている成分です。出来れば、湯むきせず、そのまま召し上がる方が良いでしょう。
ほかの栄養素は?
βカロテン
βカロテンは、リコピンと同様に、加熱によって変性することはありません。
また脂溶性の物質ですので、どちらかと言えばオイルと併せて加熱するほうが、よりよく摂取できると言えます。
カリウム
カリウムは加熱にそれほど強くなく、水に溶けだしやすい物質です。
カリウムを意識的に摂り込みたい場合は、フレッシュのトマトか、トマトスープなどでカリウムが溶け出したスープも一緒に召し上がると良いでしょう。
ビタミンC
ビタミンCも水に溶けやすい成分ですので、やはりスープにするとよいですね。
忙しい朝にコトコトとスープを炊いている暇はない!というあなたは、トマトジュースで栄養補給をするのも、一つの手段です。
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トマトの栄養成分
こうして観ると、トマト水煮缶は優秀ですね。
各メーカー様で製造方法は微妙に異なるかもしれませんが、ビタミンCがやや減っているものの、他の代表的な栄養素はほとんど変化ありません。
時間がない時や、下ごしらえに手間取りそうな時、水煮缶は、栄養価をほとんど落とさず時間短縮・手間の省略が可能になりそうです。
まとめ
トマトが赤くなれば医者が青くなる、というのはヨーロッパの標語だそうです。
お医者様が青くなるのも困りものですが、少なくともお医者様を遠ざけようと、病気を予防しようとするとき、トマトは欠かせません。
夏は冷やしトマトで爽快に。冬はソースやスープでうまみが凝縮されたあったかい食事に。
美味しく、楽しく、健康な食卓に、ぜひトマトを活用して、メタボとサヨナラしてみませんか。
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