「暑い夏にはスイカを食べたいけどカロリーが気になる…」
「ほとんど水分だけど栄養は?」
デザートとしてのイメージが強いスイカですが、適切に食べると体にとても良い効果が期待できます。
今回はスイカの栄養と効果効能にスポットを当てます。
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スイカの栄養素と効果効能
スイカに含まれる栄養素で特に注目すべきは次の3つです。
- シトルリン
- カリウム
- βカロテン
どれも野菜でおなじみの栄養素ですが、スイカは果物と野菜どちらにも分類されます。
1.シトルリン
シトルリンで血流アップ
まず始めに説明する「シトルリン」というアミノ酸は、血流をアップし、体の運動性能を向上させ、動脈硬化の予防・改善、ムクミ解消などの効果が期待できます。
通常のアミノ酸はタンパク質と結合して、私たちの体を構成していますが、シトルリンは遊離アミノ酸であり、タンパク質とは結合せず体の中を循環しながら、必要に応じて新しいタンパク質を生成してくれます。
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妊婦さんに良い
妊娠中は特に体の変化が激しく、体調管理には大きな注意が必要ですので、必要に応じて新しいタンパク質を生成してくれるシトルリンは妊婦さんにとって非常に大切な栄養素となります。
サプリ等も出回っていますが、必ずお医者様と相談の上、使用・服用してください。
シトルリンの効果で安定的な妊娠期を過ごしましょう。
また妊婦さんに関わらず、血流の低下でお悩みの方、ハードな肉体労働に従事しておられる方や、スポーツを健全に楽しみたい方にも、シトルリンは欠かせない栄養素です。
※シトルリンの摂取量目安は800mg/日で、スイカ100gに180mgのシトルリンが含まれています。大玉スイカ1/7~1/8個で、1日の摂取量に達します。
2.カリウム
カリウムには筋肉を正常に保つ・むくみを改善するなどの効果があります。
人間の体内では、カリウムの働きによってナトリウム(塩分)が尿と一緒に体外へと排出されます。
塩分を多めに取ってしまった…そんな時はカリウムです。
スイカ100g中には120mgのカリウムが含まれていて、血圧の調節などの効果も期待できます。
3.β-カロテン
抗酸化作用
非常に強い抗酸化作用をβ-カロテンでゲットしましょう。
私たちの体の中には活性酸素という物質があり、免疫機能を果たしている一方で、過度に増えすぎると良い細胞や組織にも害を与えてしまい、命にかかわるような事態にもつながります。
活性酸素による「過ぎた酸化」に抵抗するのが、抗酸化作用です。
美肌効果
β-カロテンは抗酸化作用の他にも、体内の粘膜を作る材料になりますし、美肌効果も期待できます。
特に子どもの体の成長にもβ-カロテンは不可欠です。
赤玉種のスイカには830μgのβ-カロテンが含まれますが、黄玉種には10μgとなります。意図的にβ-カロテンを摂取したい場合は、赤玉種を選んでください。
参照元:β(ベータ)カロテン研究情報 | 成分情報 | わかさの秘密
スイカの皮と種に栄養がある?
「スイカは好きだけど、種を取り除いて食べるのが面倒くさい」なんて思ってませんか?
実はスイカの大事な栄養素は果肉よりも、皮や種にこそ豊富に含まれているんですよ。
スイカの皮
皮に含まれる有効成分
シトルリンやアルギニンなど有効成分は、果肉よりも皮や皮の近くにより多く含まれる傾向があります。
より効果的に摂取したい場合は、積極的に皮を食べるようにしてみてはいかがでしょうか。
さすがに黒色のシマ模様がある外皮は、固くて食事には向きませんが、白い部分は幅広い応用がききます。
皮の白い部分を応用
スイカの皮の白い部分を切り出して、炒めもの、ぬかづけ、ピクルスなどに応用できます。
そして筆者が昨日試して眼からウロコが落ちたのは、皮の白い部分のフライです。
素材の風味が淡白なので、味付けはお好み次第。
気になるシトルリンは、加熱による流出や破壊などの損失がほとんどないようですし、元々捨てていた部分ですので、少々の栄養の損失もさほど気にならないのではないでしょうか。
ただしスイカの皮には体を冷やす作用と、消化がよくない性質がありますので、食べ過ぎてお腹を壊してしまわないようご注意下さい。
スイカの種
スイカの種はタンパク質と脂肪が豊富で、ビタミンB群、ビタミンEも含んでいます。ナッツ類の栄養素によく似ていますね。
種の脂肪には、血液をさらさらにするリノール酸が含まれていますし、ビタミンEの働きも期待できますので、動脈硬化の予防に良いでしょう。
食用の種子はネット販売がされていますし、嫌でなければそのまま食べても問題ありません。
また「種を食べると虫垂炎になる」と言われますが、事実ではないようです。
中国や台湾、タイをはじめとする東南アジア周辺では、わざわざ種を食べる食文化や、種食用のスイカも栽培されています。
スイカのカロリーと糖質
カロリー
一般的なスイカの重さは、大玉で5kg、小玉で3kg前後となります。
スイカのカロリーは、大玉・小玉問わず100gあたり37kcalなので、大玉1個だと1850kcalの計算です。
仮に毎日大玉1個をまるまる食べ続けると太るでしょうけど、いくらスイカ好きな方でもさすがに・・・そんな量は召し上がりませんよね?
半玉を買って、1週間で平らげたとすると、1850kcal×0.5個(半玉)÷7日 = 約132kcal/日です。
デザートとしては、かなり低い値ではないでしょうか。
糖質
スイカに含まれる糖質は果糖で、冷やすと甘みを感じやすい性質があります。
冷蔵庫でキンキンに冷やすより、流水で冷やす程度の冷たさが最も甘みを強く感じます。
果糖はほとんどが肝臓で代謝される糖質ですので、果糖をとれば血糖値の上昇を緩やかに抑えながら、肥満を防げるメリットがあります。
ただし、肝臓に負担がかかることには違いありませんので、やはり過剰な摂取はリスクがあるとご認識ください。
スイカの栄養成分
スイカの栄養成分を表にまとめました。
ほとんど水分ですが、特に注目すべきはカリウムとβカロテンの量ですね。
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まとめ
夏休みに遊び疲れて汗だくになった子どもたちと、川で冷やしておいたスイカにかぶり付くシーンは、日本の風物詩でもありますよね。
そして火照った体を冷やして、水分やカロリー、ミネラル、ビタミンを摂取するのに、効率的で科学的な光景でもあります。
くれぐれもスイカの食べ過ぎに注意して、夏を楽しみましょう。
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